外村が経営する精神科クリニックに美也子が()訪れたのは、夕暮れの診察時間()が終了する頃だった。旅行会社に勤める美也子は、君江という女と同居しており、その君江が異常に嫉妬深くてなやん()でいると外村に打ち明ける。帰り道、()外村の患者()で()ある平山に強引に迫られていた美也子を助けた外山は、彼女をマンションまで送り届()けた。それから何日かたったある日、君江から()外村に「私達に溝わないで!」と電()話が()入った。美也子のことが気にかかった外村は彼女に近づき、()君江か()らの電話の件を()話した。すると突然()美也子の声が君江に変わり、ナイフで外村の膝を刺した。数日後、入院した外村を見舞いに来た()美也子はその事を全く記()憶していなかった。君江にもう一度()会いたいと外村がつめよろうとしたとき、恋人のはるみが病室に現れ、美也子に嫉妬する()が、美()也子には別の感情がわいていたの()だった。外村は美也()子の()心の秘密を探り、同性愛の二人が心中を図り()、君江が死に美也子が生き残ったという事実を知る。美也子のマンションを訪れた外山は、そこで君江になりきり、美也子を愛するはるみを見る。そして、外村は彼女()らのマンションを背に去って行くのだった。
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